ホームにて

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私の特別思い入れのある曲、中島みゆきさんの「ホームにて」を語ってみます。
この曲は中島みゆきさんにとって3枚目になるアルバム「ありがとう」に収められた名曲です。
発売は1977年、その後ヒット曲の「わかれうた」のB面としても発売されました。

シングルのB面であり、アルバムの中の1曲に過ぎないこの「ホームにて」ですが、中島みゆきファンの中では特に根強い人気を誇る曲なのです。

遠く故郷を離れ、都会で生活をしている者にとってこの曲は郷愁を揺さぶるのです。

「故郷へ向かう最終に 乗れる人は急ぎなさいと やさしいやさしい声の駅長が街中に叫ぶ」

誰もが都会の生活に疲れ、人間関係に疲れ、あるいは挫折した時、心の中に駅長さんの声が聞こえるのです。
いつでも故郷へ帰っていいんだよ、いつでも電車が待っているよと。

ここで歌われる駅のホームは作者の架空の駅でしょう。
でもイメージとしては北の故郷へと誘う上野駅でしょうか。或いは信州へ向かう新宿駅のホームかも知れません。

「走り出せば間に合うだろう、飾り荷物を振り捨てて。 街に街にあいさつを・・・・・
振り向けばドアは閉まる」

故郷はきっと昔と変わらずに暖かく迎えてくれるだろう。
でも何年もの都会の暮らしで自分が変わってしまった。
だから帰るには、・・・ いつのまにか身についてしまった汚れやしがらみを全て脱ぎ捨てなければ帰れない。
それが飾り荷物なのでしょう。

でも都会への未練を捨てきれない自分が居て、つい振り返ってしまう、そしてまた今日も帰れなかった。

この曲をアコギで弾き語るみゆきさんの歌声はとても優しい。
旋律もやさしくて、でも物悲しくてせつなくて心に沁みます。

「故郷は走り続けたホームの果て たたき続けた窓ガラスの果て そして掌に残るのは白い煙と乗車券」
帰りたいけど帰れない故郷への想いは切ないです。

「黄昏にはさまよう街に 心は今夜もホームに佇んでいる  ネオンライトでは燃やせない故郷行の乗車券」

また今夜も駅長さんの声が聞こえてくる。心はホームへと・・・・・

みゆきさんは自分の曲に対してはすべて聞き手の解釈にゆだねて、作者からの余計な説明は一切語らないというスタンスをとっておられます。わたしもそんな姿勢が好きです。

この「ホームにて」に関して、自分流の解釈を書き並べましたが人それぞれの感じ方があると思います。

でもこの曲はいつ聴いても・・・泣けます。

それが多くのファンに支持されるのでしょう。

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